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2016年5月30日 (月)

エルヴィス、我が心の歌

■ エルヴィス、我が心の歌 ■

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素晴らしい青空の渋谷を東急に向かって歩き、ラブホテルのど真ん中に建つ渋谷ユーロスペースを見つけるのは割りと楽でした。若い、まだ本当に若い頃にこの渋谷の円山町をうろうろ歩いたことを思い出しながら渋谷ユーロスペースのビルに入りました。

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■ 渋谷ユーロスペース ■

午前9時に映画館に到着してしまったので、ビルの三階のユーロスペースに入場できません。エレベーターに乗って③のボタンを押しても点灯しません。清掃のおじさんに聞くと、まだ入れないよと教えてくれました。
入場できたのは9時半。
比較的小さなシネマでした。シネマ1とシネマ2の二つの上映室があり、10時10分からの「エルヴィス、我が心の歌」の上映はシネマ1です。

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エルヴィスの大ファンであるカルロス。長髪だけど、頭髪は薄くなりつつあり、腹回りはかなりのデブで、晩年のエルヴィスを越えたたぶん腹回り。
自分のバンドを持っている。ジャンプスーツを着て「エルヴィス・オン・ステージ」張りに歌い上げるところはなかなかのもの。

ただ映画ではカルロスがエルヴィス・プレスリーのファンになった切っ掛けは描かれていない。

エルヴィス・ファンになり、どのようにエルヴィスにのめり込んでいき、どのようなエルヴィス・ファンとしての経歴で自分がエルヴィスの生まれ変わりであると確信していくのかが描かれていないので、彼の行動が理解しがたいところがある。

妻をプリシラと呼び、娘をリサ・マりーと呼び、自分を周囲の人間にエルヴィスと呼ばせるほどエルヴィスになりきっているカルロスという中年男の状況からスタートしている。生活は楽ではないらしく、精密金型工場で働きながら、仕事が終わってからはエルヴィス・プレスリーのインパーソネイターとしてステージに立ち、結構人気者であることしかわからない。

エルヴィスの生まれ変わりとして行動し、発言する夫に愛想をつかしてしまう妻の気持ちはわからなくも無い。彼についていくとなれば、この状況から抜け出ることなどとてもとても望めそうに無いと見切りをつける奥さんの気持ちは理解できる。

何か映画の物語の語り不足な感じのまま、どんどん進行していき、最後にはとんでもないことになっていく暗さは僕には理解しがたい男の物語だった。

僕もエルヴィスのファンだし、このブログにアップした写真を見てもわかるとおり、ジャンプスーツを着てエルヴィスになりきってバンドで歌っていた時代もあるし、エルヴィスのようになりたい、エルヴィスに近づきたい、エルヴィスほどの歌い手になりたい、エルヴィスのように女の子にもてたい、などなどと思う気持ちなら理解の範囲だが、エルヴィス・プレスリーの生まれ変わりであると信じる人間の思いはとても理解しがたい。

映画がラストを迎えて、なんとも言いがたいうめき声を上げてしまった。

ううううむむむむむむ!

この映画は人には話せないし、薦められない。

観たければ、どうぞ、と言うしかないなあ。

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コメント

>この映画は人には話せないし、薦められない。
>観たければ、どうぞ、と言うしかないなあ。
全く同感です。
エルヴィスを知らない世代の方がこの映画を見て間違った
考えを持たないことを祈ります。
撮影場所、最後のシーンに言いたいことはありますが、やはり
ノーコメントにしておきます。

投稿: TNelvis | 2016年5月30日 (月) 22時15分

TNelvisさん、こんにちは。( ̄▽ ̄)

観終わって複雑な心境になりますよね。奥さんは大人だからまだ良いにしても、娘はきっと父親の行動を理解できないだろうなあ。
そんな気がしました。

投稿: べっちゃん | 2016年6月 3日 (金) 09時10分

この映画は、エルヴィスのファンでない人が見たらエルヴィスを誤解するでしょうし、エルヴィスのファンには痛い映画ですねぇ。

親切な友達が、こういう映画がありますよ! と広告を見て教えてくれましたが、きっと素敵な映画だと思っているのでしょうね。
アルゼンチンでは多くの賞をとっているのも信じがたいです。映画の構成に疑問に思う部分が色々ありますし。
このように人を狂わせる魅力がエルヴィスにあるのだ、というようにはとても思えない映画でした。個人的な破滅の物語だと思いました。
この映画の公開でエルヴィスのファンが増えるのでは、と見る前に思った私が馬鹿でした。ガラガラの映画館の中で、こういう映画のせいで本当に公開されるべきものがされなくなるのでは、と心配もしました。

投稿: Tさん | 2016年6月12日 (日) 22時48分

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